「とりあえず即時償却」で損をしていませんか?少額減価償却資産特例(40万円未満)の賢い使い方

1. 2026年税制改正で何が変わった?
2026年度の税制改正で、中小事業者向けの少額減価償却資産の特例(租税特別措置法)の上限額が、従来の30万円から40万円に引き上げられました。
最新のパソコンや業務用ソフトウェア、タブレット端末が即時償却の対象に入り、「購入した年に全額を経費にできる」範囲が広がったことは、中小企業・個人事業主にとって大きな節税チャンスです。
2. 少額減価償却資産の特例(40万円未満)の基本
中小事業者が取得価額40万円未満の減価償却資産を購入した場合、通常の耐用年数にわたる減価償却を行わず、取得した事業年度に全額を損金(経費)として計上できます。
年間の合計取得価額が300万円以内であれば何点でも適用可能です。
3. 見落とされがちな「償却資産税」の落とし穴
この特例を活用する際に必ず確認していただきたいのが、地方税である固定資産税(償却資産税)との関係です。
- 40万円未満特例:法人税・所得税は即時償却されるが、償却資産税は課税対象として申告が必要。
- 一括償却資産(20万円未満):3年均等償却となるが、償却資産税は非課税。
複数拠点に多数の機材を導入している場合、この税負担の差は無視できません。節税メリットと税コストを比較したうえで判断することが重要です。
4. 即時償却が「かえって損」になるケース
少額減価償却資産の特例はあくまで「できる規定」であり、任意で選択できます。
- 当期が赤字の場合:節税効果がないため、翌期の利益圧縮のために温存する方が合理的です。
- 資金調達を控えている場合:即時償却で利益を過度に圧縮すると、決算書の財務内容が悪化して見えるリスクがあります。
5. 3つの少額資産制度の比較
| 取得価額 | 処理方法 | 償却資産税 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費等で即時償却 | 非課税 |
| 20万円未満 | 一括償却資産(3年均等) | 非課税 |
| 40万円未満 | 少額特例(年300万迄) | 課税 |
当期の利益状況や将来の損益予測、償却資産税の影響を総合的に判断することが節税の要諦です。
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